救済を求めるもの 第一部 洗礼

  1. 予告編
  2. 第壱話 「洗礼 零ノ力」
  3. 第弐話 「デス・ワールド 死の世界」
  4. 第参話 「兆し」前編
  5. 第参話 「兆し」後編
  6. 第四話 「心理。そして、試される世界へ」
  7. 第五話 「無表情」

第壱話 「洗礼 零ノ力」

昭和56年東京都練馬区

6月12日。路地裏

僕は野比のび太、性別、年齢は君らに教える義務はない。

まさか他人が素直にそんなことを教えると思っているのかい。

名前を教えたのは最低限度のルール。

「なんだと!貴様あカッコつけてんじゃねえ!」

「その通りだ。俺達、気昏(きぐれ)中学の紅蓮団に勝てるとでも思ってんのか!ああん!」

ああもう五月蝿い勝てない喧嘩なのに、こいつらぎゃあぎゃあわめき立てて……

「死ね。五月蝿いんだよ、 さっきから。もうさあ始めようよ」

「上等だゴラアッ!!」

「死にさらせ!」

口々に暴言を吐く、クソ馬鹿共。死ねよ屑が

その後は話にならない。何が紅蓮団だ。雑魚だよ。1対5でよくあそこまで無惨に倒されるもんだ

改めて自己紹介をしよう。

僕は野比のび太。練馬時雨中学校2年生だ。

少しは身の程をわきまえたほうがいいと思うよ。雑魚なんだから。

「こ、こいつ糞強ええじゃねえかよ………」

「ち、畜生……」

馬鹿が悔しがる。貴様らにココロすら必要ない。とっと死ねよ屑がさあ。

お前らなんで生きてるのか考えたことある?ないよねえ、馬鹿だかねえ。

まずは友達から、そして先生や他人そして両親に見放されたお前らが……

死んだら誰が悲しむんだろうな………

「……………」

馬鹿共は沈黙する。そりゃあそうだ、図星なんだから。違うことは言ってないはずだ

「零のお前らに何が出来る」

「じゃあ百のお前に何ができたんだ?」

「零よりはマシだ」

「昔はお前も零だろう」

ぶんぶん、頭を振り回してそんな考えを捨てる。いやだめだ次々に言葉浮かんでくる。

すでに不良は居なくなっていた。ココロが不安定になった。

ぶれた。揺らいだ。消せなかった。

「零のくせに」

「五月蝿い。黙れ。だまれ」

「昔を思い出したのか?弱いなあ。やっぱり零じゃんか」

黒い自分が白い自分を壊してくる

「だまれ、黙れ、五月蝿い、うるさい、うるさあああい!」

「でもお前のココロは空っぽの零だよ……くすくす、くすくす」

駄目だった。度重なる受験勉強の中、僕は俗に言う不良だった。

勿論勉強はおろそかにしてない、どちらかというと優等生だった。

でもそんないい子ちゃんに限って不良は多い。

要するにココロは零点だ。零に力はなく、またどうすることも出来ない無力だ。

その点、百は力がある。勿論、力がある。人を感動させる。それ以上はなく、またそれ以下は屑だ

僕はそんな都会が大嫌いだった。忌み嫌っていた。

でも、ここに居るしかない。嫌だった。

零に力はありませんでした。

それは無力でした。

百には力がありました。

それは強すぎました

あなたは何ですか?

何を求めますか?

零の力ですか?

百の力ですか?

救済を求めるもの 第一部 洗礼

零の次にあるのは一。

あなたは求めすぎたのかもしれません。

第弐話 「デス・ワールド 死の世界」

くけけけけけけけけけけけけけけけけけけ

奇声を発したなにか。蠢いた何か。

僕の目の前に何か居る。そいつはとっても邪悪で危険だった。

での、僕と近しい物を感じた。零だった。

「くけけけ、お前が野比のび太だな。くけけけけけけ」

「そ、そうだ、ソレがどうした」

「くけけけけ、面白い奴だ。零の匂いがしたのになあ。百を匂わせようとする」

わけの分からない事を言い出す。零?百?何のことだ?

僕の頭の中はパニックになっていた。ぐちゃぐちゃだ。

「お前は何だよ、………何なんだよ!」

「ん?、俺か?俺はなあD零とでも言っておこうか、くけけけけけけけ」

「なんでお前は俺の目の前に現れたんだ」

俺はパニック状態から抜け出そうと必死だった。クールになれ野比のび太……落ち着け、落ち着け。

「くけけけけけけ、お前の前に現れた理由なんか必要ない。

 あるとしたら、一番ココロが空っぽだったからだ。くけけけけけけけけけけ」

こいつ……はたして僕の夢想か?いいや違うこれは僕が実際に見ている光景だ。

それにしても、こいつの笑い声が五月蝿い。いい加減にしてくれ。

僕はパニックよりも怒りのほうが強かった。五月蝿い黙ってくれ。

「くけけけけけ、貴様は今ココロの救済を求めているだろう。だから埋めてやる。

 しかし、一つ代償を払ってもらう、貴様は俺に憑かれろ。そしてコノ世界を救済しろ」

彼は真面目そうだったが逆に僕は可笑しくなった。はあ?

コノ世界を救済する?ほざけ、こんな世界僕にとってどうでもいい。

どっちかと言うと僕は勉強に追われて、楽しい過去がなくなったコノ世界が嫌いだ。

大嫌いだ。なのに他人の幸せに貢献しろだと。寝言は寝てからいえ。

「馬鹿か!貴様にかりもないし貴様なんて知らない、とっと失せろ!」

「おっと随分な言葉だな、くけけけけ。このデス・ワールドに絶望したか……」

「確かにそうだな、デス・ワールドだ」

死の世界、確かにそうかもしれない。

「くけけけけ、でもな俺はその世界に住むやつらの悲しみを貪っている。だから俺はコノ世界が大好きだ」

こいつやっぱり化け物か……心を喰う俺も食われるかもな。くくくく

?なんだ僕は僕だ俺なんて言ったことないなんだ。なんだ。

「くけけけけけけ、貴様は俺に感化されてる。侵食されてるんだ」

そういわれたとき

ひぐらしのなき声が聞こえた

静かだった。

続く

第参話 「兆し」前編

あの奇妙な邪悪な物体が現れてから1週間がたった。

結局僕は夢ということにして元の生活に戻った。やっぱり空虚で零に等しい、いや零であった。

友達そう呼べる者が一体何人いるのだろう。いないと思う。

いたとしても上辺だけだ。所詮ライバルだ。皆もそう思っているはずだ。

私立の名門中学校から高校に勿論エスカレータ式のため、私立の名門高校だ。

他の皆―ジャイアン達はどっかにいっちゃた。

が、しかし名門とはいっても結局は上辺だ。

イジメなんてしょっちゅうだ。勿論、標的は僕にもされている。

下らないことを考えるている奴がいる。やっぱ馬鹿だな。

僕とは人種が違う。ノートに落書きか(油性ペン)ふはははは面白い。

じゃあ他の奴のを盗むさ。だから勿論修正ペンも常時携帯している(名前を消すため)

「おはよう」

一応な。社交辞令というものだ。

あ、ちなみに僕はイジメはしてない。おそらくこのクラスでイジメをしたことないのは僕だけだ。

まあ見過ごしてるからそれもイジメにはいるのかもしれないが。だからその罰は受けてもらう。

そんなことは知ったこっちゃないね。じゃあアンタは出来るのかと小一時間問い詰めたいね。

出来るという奴は僕のところに来て2ヶ月通え。

僕のレベルなら2ヶ月なら休んでも、全然大丈夫だ。

「ああ来たか野比。おはよう」

どうやら今回は僕じゃないらしい。

「おいあいつの机見てみろよ凄いぜ。くすくす」

言い出す奴が犯人だと思う。他の奴等は見てみぬふりだからな精神的に意味がない。

やってる奴は悲しんでいるのを見て喜んでいるんだからな。

まあここは話を合わせる

「ああ、ヤバイな」

「はははははは。あいつどんな顔するかな。楽しみ。やったの俺だぜ。あ誰にも言うなよ。くすくす」

犯人はこいつか。ああ分かりやすい。しかもさっきいった奴だ。

まったくこうも毎日あたると逆に不気味だな。

「くけけけけけけけ。零なんだろ」

びくっ。

背筋に悪寒。頭から水でもかけられたのか。いやあの声はなんなんだ。

あの声だ。夢とういうことにしている中で現れたやつの声だ。

黒い球のその真ん中に瞳。一つ目。黄色いそして紅い。そして口は裂けている。ぱっくり三日月に。

そして後ろには鎖。いや尻尾の後ろに鎖か。手も真っ黒そして悪魔のような。

足はなく浮遊している。

「くけけけけけ。侵食されてるぜえ。さていつ出るかな魔物はさあ。くけけけけけけ」

「っく。お前はなんだ。一体誰なんだ。一体なんなんだっ」

「くけけけ。おっかねえやなあ。俺かあ。俺は心を喰うもの。D零だ」

やはり駄目だ。こいつといると、あまりいい気分じゃない。

くらくらする。まるで頭の中に渦巻きが出来ているみたいだ。

「くけけけけけ。ココロってえのは正直だなあ」

「くっ」

「マトモに喋れねえのか、くけけけけ。ココロに風穴が開いてるなあ」

「てめえ、ざけん―」

僕がいままで言ったことのない言葉だ。しかも東京の言葉じゃないから言ったことがない

その瞬間ホームルームが始まる鐘の音が鳴り響いた。

現実に引き戻される。いきなり浮遊空間から地上に戻った感覚だ。

「どうなったんだ」

「おい、大丈夫かずっと独り言いっちゃって。いつもなら結構人付き合いいいのに」

「ああ、スマン」

次は僕がイジメの対象かな。

まあいいや。今日に集中するか

続く

第参話 「兆し」後編

あいつが出てきてまた1週間たった。もう6月になったのか。

ちなみに僕は高校2年生だ。もうだいぶ慣れている。東京練馬の夏にはね。

夏はじめじめしたかと思うと本格的に暑くなる。勿論ペットボトルやお茶を持ってきているのだが……

捨てる。そうなると学校の水道水を飲むことになるのだが、そうはさせない。

捨てた奴にかけより勉強が出来ないと言い(勿論嘘)休み時間いっぱいいっぱい使わせる。

勿論そいつはココロに愉悦を持っているから楽しいから苦痛にはならない。しかも途中で自分は水を飲む。

相手がくれといえば、「ごめん」という。ああ馬鹿だね。殴ればいいのに。

まあそれも出来ないお坊ちゃんってことか。

僕は大丈夫。やってきたら『裏』で潰すから(まあ不良だから、一応)

「おはよう」

いつもの社交辞令を言った。まあ挨拶も社交辞令でしかないという僕の考えは少しいけないのだと思うが。

さてそういうことで時間は過ぎていく。そして僕は学校から帰って宿題をして寝る。

夕方である。アレが来た。

「くけけけけけ。そろそろその気になったかい」

「っつ」

冷や汗が垂れる。

「くけけけけけけけけ、このままでは一生零だぜ。くけけ、くけけ」

「ば、馬鹿な」

「面白いぜココロが百っていうのは。ほおら」

一瞬だ。僕はいいかもしれない。そう思った。コレハイイナ。サイコウダ。

「あはははははははははははは」

イヤ、ダメダ。こんな奴のいいなりになってたまるかっ

でも…腐ってるなら、コノ力でやってみようか?

だ、ダメダ誘惑だ。

「くけけけけけけけ。そろそろヤバイじゃねえか。おい」

「そ、そ、そんなわけあるか」

「くけけけけけけけけけえ。最高だぜええええ」

「う、うううううううう」

僕が唸っているとひぐらしのなく声がきこえた。

「うわっつ」

まただ。そろそろ精神科医にいってみるか

夕方の出来事。起こった後のひぐらしの声がやけに五月蝿かった

第四話 「心理。そして、試される世界へ」

さて俺が誰だか、コレを読んできてくれた諸君らには分かると思う。そう野比のび太さ。

随分間抜け名前じゃないか?俺は気に入っていない。あれ可笑しいな。俺じゃなくて、僕だろう。

自分の呼び方は自分が存在していると感じさせてくれる物じゃないか。バカだな。

さて僕の戯言に付き合ってくれてアリガトウ。あの幻聴まがいな物が聞こえ始めて病院にいってみたが障害は特になし

すこぶる健康だそうだ。ああ、もう最低かもしれない。畜生。訳がわからない。零?なんのことだか。

さて今日も幻聴のお時間だ。いい加減にしてほしい。ああもう。

「なんだ、また君かい。いい加減にしてほしいね。そんなふざけた格好ででてこないでよ」

「くけくけけけけけ。大分体が慣れてきたようだな。そろそろいいだろう。例の話はダメなんだろう」

ふん、当たり前だ。世界がどうなろうと知ったこっちゃないね。関係がない。金輪際無縁さ。

「くけけけけ。無視かよ。ならいいぜさあ。行って来い。世界の心理を垣間見ろ。そしてその愚行をとくと見ろ」

疑問符が頭の中に浮かぶ。やはり夢なのか。違う現実なんだ。

「心理なんだそりゃ。僕になにしようってのさ」

「くけけ。答える義務はねえなあ。お前が感じるものだ。お前が体験することだ。俺が入る領域(テリトリー)

じゃねえ。じゃ。いくぜえええ」

「ちょ、待て。バカ。なにをするきなんだ」

今更ながらに捨てたと思った感情が甦ってきた。不安。絶望。押しつぶされそうだった。

僕はこれから何を感じるのだろうか。そう思うと、感触がまざまざと甦ってくる。

血、体温、人肌、爪、肉の感触が甦ってくる。捨てたものがどうして……。

「くけけけけ。少しずつ引きずりおろされていくな。さあ紡ぎだせ。お前が見たもの感じたものを。

お前の物語を。その愚行を見ながら。さあっ」

「ぐっああああああ。あ、あああ」

知らぬ間に叫んでいた。誰か助けて。悲しみの感情が押し寄せてくる。涙が流れてくる。

「くけけけけけ。お前はさながら道化。その世界で道化。押し寄せてくる心理。心理を見てそして紡ぎだすがいい

お前の物語をっ」

ああ、もうどうでもいい。なるようになってしまえ。脱力、倦怠感が来る。

「さあ、唱えるぞっ。貴様の思うがままに其の世界の心理、そしてこの世界の心理をみるがいい」

ううっ。なんだ。なにを言っている。うう。うう。唸ることしかできないのか。体が動かないっ。つああああ。

溺れてしまう。なにかに溺れそうになっているのか?

「ゲームスタート」

D零だったか。その化け物がそう唱えると僕の意識が飛んでしまった。死ぬのか。一瞬そう思いながら。

次に僕が起きたのは真っ白い世界。ひたすら白い世界だった。僕以外に人間はいない。なんか落ち着くね。

そして次の瞬間だった。僕の頭の中になにか流れ込んでくる。頭が痛い。僕は世界を見てしまった。

人の心を見てしまった。世界の法則を見てしまった。コレが心理なのか。

「そうですよ。ソレが心理です」

いきなり声をかけられてビックリする。

「誰だっ」

「そんなに、驚かなくてもいいでしょうに。私は殻有 智都(からあり さとつ)というものでございます」

こいつ。なんだか気に食わない。サングラスをかけている。そのせいで全く謎の人物に思えてしまう。

白いワイシャツにジーパン。なんなんだ。

「さあ。私も名乗りました。あなたの名前お聞かせください」

あからさまに怪しいがここはしたがってやるか……

「野比のび太だ」

「無愛想ですねえ。さっきあった人はもっと感情が豊かでしたよ。むっふふふふふ」

笑い方が気持ち悪い。−30点。ていうか、「さっきあった人」って。僕以外にもココに来た人がいるのか

「さてとルールは追々説明するとして。あなたは心理を見てしまったので。これからゲームに参加してもらいます」

怪しいし、言っている意味がわからない−20点。ていうか「ゲーム」ってなんだよ。

「シカトですか。むふふふふ。まあいいでしょう。あなたは生き残りゲームをしてもらいます」

「サイバイバルゲームみたいなものか?」

流石にここは気になったので、人間採点ゲームはやめにした。今のところ50点だねえ

「ていうか、なんで参加しなきゃいけないのサ」

「まあそうですね。七日間。毎日一個だされるミッションをクリアするだけ。簡単でしょ」

こういう場合、大体その「ミッション」が難しいんだ。なんか勧誘するみたいな言い方だし。−10点

「さてと、エントリー料を取らせていただきます。ハンデみたいなもので参加者全員とられます」

わっつ。勝手に話をすすめるな。僕は出ると決めたわけじゃない。そしてそんな僕のココロを見透かしたように

「強制参加ですから」

こういってくれた。ふざけるな。−30点。残り10点ですぜ。

「じゃ、アナタのエントリー料は……記憶で」

そう聞こえた気がした。そして僕の意識がまた遠のいた。

続く

第五話 「無表情」

目が覚める。そしてゆっくりと立ち上がった。此処は何処だ。一体・・・・・・俺は・・・・・・何者なんだ。

人が一杯いた。五月蠅い。前が見えない。邪魔だった。でも誰も俺に気づいては居ないようだった。

「これは夢なのか」

まず俺は誰で、夢だとして、誰の夢のなのか。分からない。

自分の名前と「Dー零」という名前しか思い出せない。朧気だが、黒い塊が見える。

意味不明だ。一体、何者なんだと考えていると、すぐそばにヘッドフォンが落ちていた。

俺に関係あるのかなにのかは、ともかく俺はそれを無造作につかみ取り、頭につける。

すると、喧噪が少しはましになった。そしてズボンのポケットを探ってみる。

するとバッジが見つかった。

「なんだ、これ」

握ってみる。そして超能力でも使えないかと、冗談半分で集中すると、

言葉が頭の中に流れ込んでくる。慌ててバッジを離すとそれは中止された。

「なんだったんだ、あれ」

しばらく呆けていると携帯電話のメールの着信音が鳴った。メールを開くとソコにはこう書かれていた。

『104に制限時間内に到着せよ。

失敗すれば消滅。死神より』

意味不明だった。死神ってなんだ。それと104って何処だよ。それ以前に悪戯か。

「消すか」

そうして消去しようとするが、消せない。なんだってんだ。

「ま、いっか」

つぶやいて、何処かに移動しようとした矢先だった。いきなり化け物が現れた。

そう形こそ蛙だったが、後ろ足がおかしかった。大きいとかじゃない。言葉では言い表しにくい。

デジタル化されているというか、黒かった。生物の足じゃない。黒いデジタルの足だ。

そして明らかに獰猛で襲いかかってきた。辛うじて避ける。しかしおかしい。そう少し浮いていた。

体が浮いていた。そう若干であったが・・・・・・、というか今はそんなことは全く関係ない。

今は逃げることが先決だ。

「くっそ、なんだってんだ。仕方がない」

そのまま逃げ出す。が、一定間隔をおくと、足が地に着き、そのまま駆け出す形になってしまった。

そして、犬の銅像の前まで、逃げる。その拍子に手の平の数字に気づく。

『23:19』

から1秒ずつ18、17、16・・・・・・。

そうこうしている内に、またあの化け物が現れる。また蛙だった。攻撃される。また避けるが、

今度は幾分、数が多かった。

「おいおい、やばいぞ」

焦りが出てくる。いやあ、死にたくないなあ。

「あなた、私と契約して・・・・・・」

「誰だ。現在、取り込み中だ。見て分かるだろう」

「死にたくなかったら、私と早く契約して」

「・・・・・・いいだろう」

そうすると少女と繋がった気がした。すると、バッジを渡された。

「これ、使って。私には・・・・・・使えなかったから」

「わ、分かった」

そうすると戦闘態勢に入る。と、同時に目の前から、少女が消えた。

のび太は、炎がイメージされたバッジを握る。そして炎が出る感覚を頭の中に描くと、敵に向かって、

炎が出る。そして焼き尽くされ、一体を倒した。というよりは消去したの方が正しい。

「よし」

一方少女の方は、抱えた、ヌイグルミを離して、動かしていた。

「・・・・・・」

終始無言であった。しかし中々の腕で、巧みに攻撃をかわして、攻撃していた。

のび太はさらに斬撃をイメージしたバッジを握りしめ、思い描く。そして敵を斬りつける。

「はあっ!」

軽快な音がして、相手は更に一体消滅する。

「よし」

その後、攻撃してもいないのに、一体消滅した。

それは少女が敵を倒したからだ。

「やった・・・・・・」

さして嬉しくもなさそうに勝利をつぶやく。そして――。

戦闘が終了後、何円だかが描かれたバッジを入手したのである。100円か。雑だな。そう思う。

そして少女が俺の目の前に現れた。全くもって意味不明。自分のことは分からない。変な少女に出会う。

意味不明な数字が出現する。そして怪物が現れて、なおかつそれを倒してしまった。

「さ、早く。104に行こう・・・・・・」

少女はさっさと駆け出す。

「おいおい、待てよ」

「早くしないと・・・・・・消滅しちゃう」

全然、意味は分からないが、取り敢えず、少女について行く。

そして、さっきの交差点についた。

「あっち」

簡潔にそれだけ述べると、上の方向に歩き出す。そして歩いていくが途中で止まる。

「っ・・・・・・」

「どうした」

俺は問いかける。

「先に進めない」

またまた簡潔にそれだけ告げる。

俺は考える。そういえばさっきから視線を感じる。その方向を見ると、赤いパーカを被った人物があった。

俺はそちらに行き、話しかける。その後をトテテテテという擬音が似合いそうな感じで追いかけてくる。

「あんた、一体、何者だ」

「俺は問題をだすだけだ」

「問題?」

「そうだ。問題だ。じゃあ、いくぞ。俺が出すノイズを倒せ」

そう言うと、また少女は俺の前から姿を消す。

そして今度はオオカミが現れた。今回も後ろ足がおかしい。

「ふん。消し去ってやってる」

のび太はサイキック(バッジを使うこと)を使いこなし、敵を倒す。

同じく少女も敵を倒した。見かけによらず弱かったようだ。

「条件達成。壁を解除する」

そう言うと、奴は何処かにいった。

「通れる」

またまた、簡潔に述べるとさっさとその方向へと進んでいく。

俺もゆっくりのついて行く。その時タイマー・・・・・・だと思うはすでに10分はきっていた。

しかし俺はさして気もつかわず、そっちへ行く。

「全く、災難だ」

歩いていくと、ビルの前につく。どうやら此処が104(マルシー)のようだった。

するとタイマーが消えた。?

「そういえば、あなたの名前は・・・・・・」

「関係ないだろ」

「一応、呼ぶとき必要だし、パートーナーだから」

「じゃ、お前の名前は」

「私は・・・・・・霧島 桜(きりしまさくら)」

「俺は野比のび太」

すると暗転した。

全く。災難だ。

1日目

第五話「無表情」

終了